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掛け軸の取扱い方法

掛軸は、中国より伝わって以来多くの表具師によって研究伝承され、日本の生活様式によく調和し、書画の鑑賞にも保存にも適した日本独特の美術工芸品といえます。
掛物は気温・湿度に敏感ですので、取り扱いにそれだけ配慮が必要です。


使用上の注意 

  • 掛軸は、長期間掛け続けますと、
    掛軸上部で軸紐を支える金具が抜ける恐れがありますので、
    定期的に掛け替えて下さい。
  • 掛軸は、年に二回程度、春秋の晴れた日に虫干しをし、
    専用の防虫香を入れ替え、湿気の少ない場所に保管して下さい。
  • 収納の際、風帯は左右に折り重ねて巻いて、耳折れの防止の為、
    送付の厚紙を軸先にはさんで下さい。


掛け軸 各部の名称

掛け軸 各部の名称


掛け軸の飾り方

  • 軸箱から掛物を取り出し、巻緒を解き、
    畳の上で一文字のところまで広げ、
    巻緒を目だたないように左側によせ、
    風帯のくせを直します。
  • 右手に矢筈を持って掛緒に掛け、
    左手で袱紗を添えて表具の中央をささえて立ち上り、
    床の釘に掛緒を掛けます。
  • 矢筈を右側に立てかけ、
    つぎに両手で紬先を握って静かに下ろします。
    巻癖がついてしまった時は、軽くひと巻程度逆巻にして直します。
  • 掛け終ったら、少し離れた場所から表具の高さ、左右のバランスなどを点検します。
  • 釘が高すぎる場合は自在で補なって下さい。
  • 床に良くおさまったら風鎮を掛けます。


掛け軸のしまい方

  • 柔かい羽ぼうきで軽くほこりを払います。
  • 矢筈を右側に立てかけ、
    軸先を持って上の一文字の所まで巻き上げてから、
    掛けた時と逆の要領で、矢筈で釘からはずします。
  • 畳の上で風帯を折り目通りにたたみ、
    軸をやや柔かめに巻き、
    掛緒を右図の要領で巻いて、
    柔かい紙に包み軸箱に収納します。


軸緒の巻き方と軸箱への収納

軸緒の巻き方と軸箱への収納 掛け軸のしまい方


掛け軸の紐の巻き方

掛軸に紐を巻いていきます。

掛け軸の紐の巻き方

  • 掛軸に紐を手前に巻いていきます。
  • はさむ分の紐を残しておいてください。

掛軸を引っ掛ける横紐に、巻いている紐をくぐらせます。

掛け軸の紐の巻き方

  • 横紐に巻いている紐を全部くぐらせます。

くぐらせた紐を半分ほど右側に引っ張り出します。【ここがポイント!】

掛け軸の紐の巻き方

  • ここが一番わかりにく所になります
  • 写真を良く見てください。
  • くぐらせた紐が左右対称になるくらいに、右側の紐を引っ張り出してください。
  • 最終的にはこの右側の紐を横紐にはさむので、きれいに見せるには、この段階で右紐のねじれをなくしておいてください。

左側の紐を横紐にはさみます。

掛け軸の紐の巻き方

  • 左側に残っている紐を、掛軸を引っ掛ける横紐の下をくぐらせます。

巻いてある紐がゆるまないように、巻いてある中央の紐と右側の紐を整えます。

掛け軸の紐の巻き方

  • 左指で左側の紐を押さえておいてください。
  • 巻いてある紐がゆるまないように、右紐を引っ張り中央に巻き紐がそろうように整えます。
    (下の図を参照)
  • 整えた右紐を回転(反転・折り返す)させ、横紐に差し込めるようにします。

右側の紐を横紐の下にくぐらせます。【完成!】

掛け軸の紐の巻き方

  • 輪になっている右側の紐の形を整え、掛軸を引っ掛ける横紐の下へとくぐらせます。

収納箱に収めます。【お疲れ様でした。】

掛け軸の紐の巻き方

  • 収納箱の枕(軸が動かないようについている)に大小があるときは、大きいほうに軸の頭が来るように寝かせてください。

掛け物の保存

  • しまいっ放なしにしておくと、カビてしまうことがあります。
  • 秋の晴天の時を選んで、時々虫干しをします。
  • 軸箱もかるく陰干しをして、乾いた布でふいて軸を収納します。
  • ナフタリンや樟脳はシミの原因となりますので、専用の防虫香を利用して下さい。
  • 水やカビのシミは、放置するととれなくなります。
  • また折れシワなども、修理・仕立直しが必要ですので、表具師に依頼して下さい。


鑑賞への心配り

  • 表装の出きたては、
    糊が充分馴れていないため狂いがきたり、シミが出やすいので、
    最初の一ヶ月間は晴れの日を選んで、
    三日に一日の割合で掛け、二日は休ませることを繰り返して下さい。
  • その後掛ける時は、三日以上は続けて掛けないように、
    特に一過間以上の掛け放しは極力避けて下さい。
  • 空調の強い乾き過ぎたり湿度の高い室内、
    又雨や風の強い日、日光のあたる場所は、
    ソリやシミの原因となりますので避けて下さい。
  • 掛物の内容は来客により、又四季の空気に合わせて画題を選んで下さい。

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